近江歴史回廊倶楽部

歴史散策・随想

街道と石造物

私の始めた街道歩きもまだ緒についたばかりで、諸先輩の方々を前に語れるような経験はしていないが、かって「街道」と呼ばれていた道を歩いて、道標や常夜灯などの石造物との出会いを楽しみにしている。
 
今まで歩いた近江の「中山道」や「北国街道」に残っている道標の特徴は「京」「伊勢」や土地柄西国三十三ヶ所のお寺を示すものが多いことであろう。
この中で、五個荘で分岐する「御代参街道」を示す文字が大きくて彫が深い道標や、長浜大戊亥町の北国街道に残る4〜5センチも深く彫り込まれた「京、いせみち」を示す道標が印象に残る。

五個荘には常夜灯が道標を兼ねたものが残っている。車社会の現在、伊勢と言えどもわずかな時間で行けるようになったが、この地方の道路に「伊勢」を示す案内板はどこを探しても無いだろう。
また五個荘や安土町石寺には西国三十三ヶ所の満願寺である岐阜県の「谷汲寺」を示す道標がある。五個荘のそれには「すくたにくみ」とあり「すく」がまっすぐであるとしても、ここからはるか彼方の「谷汲寺」を案内するということは、昔の旅人の足に対する強さとたくましさに敬意を表したい。

 中仙道を東え、近江を離れてみると、各地方独特の石造物との出会いもまた楽しみである。特に信州や北関東に多い「道祖神」の表情が心に残る。集落のはずれや、宿場の片隅にひっそりたたずむ「道祖神」は今まで何人の旅人を見送ってきたのであろうか。この外「庚申塚」、「馬頭観音碑」など街道を歩く楽しみにはこと欠かない。
 
私の歩いて来た街道はほんのわずかである。さらに足を伸ばし未知の道標や石造物の出会いを楽しみに歩き続けたい。
                                    (会員 日吉)




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