近江歴史回廊倶楽部

歴史散策・随想


 
 近江の名木・巨木を訪ねて:湖西〔2〕

             
昨年同様に節分を過ぎた寒い時期、座禅草の観察、冬季限定の箱館ソバと日本酒の勉強を兼ねた酒蔵見学と併せ巨木巡りを行ったので、その報告をします。

 まずはマキノ町海津の願慶寺(がんきょうじ)の紅梅の古木、国道161号線から海津大崎方向へ右折して直ぐ左手に寺はあり、瀬田の粟津で討ち死にした木曾義仲の側室山吹御前の生んだ子が出家した際、義仲の冥福を祈って植えられたとの言い伝え。
樹齢700年以上の老木であるが、井伊直弼がこの紅梅を詠んだ歌の石碑もある境内には見事な松もあり、併せて由緒ある歴史を感じさせるものであった。

この寺からマキノの町内をしばらく行くと海津浜とそれに面した酒蔵の駐車場奥に樹齢が300年以上の大きなケヤキ(前回説明しているのでケヤキの説明は省略)。
ケヤキを背に通り越し海津浜に下りみると、正面には桜で有名な海津大崎や竹生島が目の前に、振り返ると水害を防ぐための護岸の石垣が遠くまで続き海津大崎方向は財政豊かな加賀藩所領の立派な石垣と今津方向は天領のためか粗い石垣とが、また古くから日本海からの海産物を都に運ぶ交通の要所としての船着場跡の木組みから、歴史の証が感じられ一瞬 時間も止まった何とも言えない感慨。

次に今津町酒波の酒波寺のエドヒガン、箱館山スキー場手前からビラデスト今津方向に車を走らせ集落を超えた山麓にあり、参道を登り山門の左手に鎮座。

織田信長が比叡山を焼き討ちした際に被害にあったため、幹にはその時の様子を今に留める焼け跡の面影は素人目にも一目瞭然であるが、この様に古木から戦国時代をくぐり抜けてきた歴史の余韻を感じた次第。
なお今津町で弘川にあり以前紹介した阿志都弥神社の樹齢千年以上のシイの巨木は、スダジイではなくコジイであることを、実から確認したことを申し添えておきます。

さて次は新旭町旭にある森神社、境内に入るとケヤキやイチョウなど高さのある大木が見られるが、本殿の後ろに御神木であり県内有数の大きさのタブノキがある (左図)。幹周りが5.8mで高さ28mと巨木であり、その風格からを樹齢1200年も妙に納得した次第。

最後は安曇川町の横江の布留(ふる)神社のクスノキ、藤樹神社の横から湖岸方向にしばらく車を走らすと左手に高さのある木々と集落が見え、きれいな小川に沿って廻りながら小さな公園が併設された神社に到着。

高さのあるクスノキが何本もあり、その中で最も大きいものが幹周りが5.6mと県内でもトップクラスのクスノキであり、高さ28m、樹齢300年。
周辺には障害物もなく遠くからもよく見え、風格よりは元気さを感じさせる巨木である。
草津への帰路、藤樹神社から近く国道161号線沿いに平成18年6月にオープンした道の駅「藤樹の里 あどがわ」で休憩、充実した1日であった。

最後に前述したマキノの願慶寺は本願寺と織田信長の戦い加わり、江戸時代には加賀・越前諸侯が上洛で宿舎にした名刹、また今津の酒波寺は奈良時代に行基によって開かれ、その観音堂の素晴しさは都の人の話題になったとのこと(江戸時代に再建)。

いずれも酒蔵見学や冬季限定の箱館ソバという時間的制約や食欲の誘惑のためにじっくりと味わえなかったが、敦賀までの新快速も走るようになったので、車以外にも公共機関を利用して歩きながら、季節柄 桜以外の楽しみを求めて歴史の余韻と自然を満喫するハイクをまた考えたいと思った次第です。

 (木村)



  

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