近江歴史回廊倶楽部

歴史散策・随想


 
 近江の名木・巨木を訪ねて:湖東〔1〕


 今年(平成18年)の冬は例年にも増して大雪の中、彦根から湖東町にかけての巨木を水鳥観察の寄り道で見学したので報告します。

 まずは彦根市野田山町金比羅山慈眼寺の三本杉に出会うために、国道306号を彦根ICを越えて多賀方面に向かいしばらく走行、左に金比羅山の看板のある信号を左折して名神高速道路の高架下を通り抜け、すぐ右手に木立の慈眼寺が見える。

 寺が高い位置にあるためか、遠目には高い木が境内に数本あるもの程度ぐらいにしか見えず、単なる参拝程度の気持ちで急な階段を足元を見ながら上り詰めると目の前に杉の巨木が3本となんとも言えないすごさを感じました。金比羅山の三本スギと言われており、
幹周りが最大なものが5.2mと、幹周り6mを越えるものが多い滋賀県内では特に目立つものではないが、樹齢が伝承1260年のためか、また全国的にも珍しく三本が寄り添っているためにかなり大きく見えて感慨を覚える次第です。

次は多賀町のケヤキを求めて国道306号を走行、多賀大社の手前で右折し近江鉄道の踏み切りを越えたキリンビールの工場と多賀町多賀字尼子の集落と間の田んぼの中に飯盛木(イモリギ)と呼ばれるケヤキの巨木が2本、県内のケヤキとしては最大級で幹周りが9.8mの女飯盛木、6.3mの男飯盛木と呼ばれ樹齢は300年以上とのこと。

 奈良時代、神域の木で作った杓子で飯を盛り天皇に献上したところ病気が治り、その杓子の残りの木の枝の挿し木が今は飯盛木と呼ばれるケヤキの巨木になったとの言い伝えが、田んぼの中にあるためか見過ごしやすいものではあるが女飯盛木、男飯盛木ともに見れば見るほど味わいのある巨木であり多賀大社の参拝の道草に見る価値は充分である。

 ちなみに全国レベルでは山形県東根の大ケヤキは幹周りが16m、樹齢1500年と上には上があるものであるが、この女飯盛木も県の天然記念物に指定され、ケヤキとしては全国でも十九位の巨木であり多賀大社の参拝がてら立ち寄りたいものである。

 最後は甲良町池寺の大杉を求めて国道306号に戻り、307号に変わった多賀大社前を湖東三山方向に走行、西明寺の手間の池寺の集落を超えて右折するとすぐ左手の若宮の溜池の土手沿いに遠くからも高い木が見える。

 集落の墓地に向かう田んぼ道を通り溜池に登って身近に対面すると、杉の木で幹周りが7.9mと普段目にする木にはない大きさや荘厳さ、また歴史の重みゆえか、言葉には言い表せない風格をひしひしと体感した次第、一度は拝見したい木々のひとつである。

 なお数百メートル先の交差点のそばに車では何気なく通り過ぎてしまいそうな小さなこんもりとした木々の集まりの"ヒイラギの森"と呼ばれるミニ公園がある。

幹周り2.4mとヒイラギの木としては大きい老木、節分には枝にイワシの頭を突き刺して玄関に飾って魔よけの風習に用いられていることはご存知のことと思います。

 道路側からは見た目には葉にトゲもなくて何の木かと思ったものの、新しい枝の部分の葉をよく見るとそのトゲは鋭くて痛くヒイラギであることを実感、痛いとの意味の"柊ぐ"が名の由来であるが、人が年齢を重ねるとともに気質が丸くなることがこの木にも当てはまり、妙に親しみを覚えた次第。
 なおヒイラギの横に鹿の子模様の樹皮が名の由来の"カゴノキ"と呼ばれる木もあり、もし時間が許せば休憩がてら立ち寄りたいものである。

(木村)




  

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