近江歴史回廊倶楽部

歴史散策・随想


 
「のろし駅伝」で中世の城跡に光を


 近江は古くから交通の要衝であり、安土城はもとより観音寺城や小谷城等、歴史上にも有名な中世の城跡が集中しています。
その数は約1,300カ所にものぼり、全国的にみても数が多く「城の国」とも言われています。しかし、このように有名な城跡だけでなく、ほとんどは集落の裏山に人知れず埋もれています。

 私の地元にも数年前までは名前も知らなかった城跡が調査の結果、総石垣造りの城であることがわかり、中世の城郭史を塗り替えることにもなる発見が続きました。
このきっかけは地元の住民が城跡に気づき、専門家とともに調査研究し、これを活かす取り組みを進めてきたところにあります。

 この鎌刃城跡は現在県の史跡であり、いま国の史跡指定に向けて検討しているところです。これが地域の宝物として、誇りを持って保全活用されることは地域文化の振興のみならず、里山の保全とともに自然環境の保全につながる意義のあるものと考えられます。

 一昨年の秋、中山道四百周年記念事業の一環として、「近江中世山城跡琵琶湖一周のろし駅伝」を開催しました。米原町の太尾山城跡をスタートにのろしを信号としてつなぎ、十八カ所の城跡をリレーし環琶湖一周して、山東町の八講師城跡をゴールとしました。

 初めての企画でのろしの上げ方や参加団体、参加者の勧誘など苦労もありましたが、当日はまれにみる快晴で大成功に終えることができました。この企画には近江歴史回廊倶楽部のネットワークは心強いものであり、皆さんの協力で成功したとも言えます。

 この後、参加団体から今後も継続してやっていこうという提案を受けて、昨年九月には城跡を地域で守っている団体が集い「近江中世城跡保存団体連絡会(近江のろしの会)」を設立し、毎年十一月二十三日にのろし駅伝を開催することとなりました。

 この会には近江歴史回廊倶楽部も会員として加入いただき協力願うこととなりました。この会の主催で第二回のろし駅伝を昨年11月23日に実施しました。前回より6カ所多く中継点として竹生島沖の湖上の漁船からも上げるなど24カ所から上げることができました。
 歴史回廊倶楽部の会員の皆様にも各地の城跡で多くの方に参加いただき活躍していただきました。

 二年連続して好天に恵まれ、初めての参加団体ではこれをきっかけに城跡を活かしたまちづくりに動きが見られたり、参加した人々のネットワークができたりと多くの成果が確認できました。こののろし駅伝が、多くの人々を城跡に引きつけ、地域の歴史文化の継承や里山保全の運動につながる「のろし」になることを期待しているところです。

 今後とも「近江のろしの会」への近江歴史回廊倶楽部の会員の皆様のご支援とご協力をお願いいたします。

近江中世城跡保存団体連合会
(近江のろしの会)会長  


  

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