近江歴史回廊倶楽部

行事の詳細


  近江の街道を歩く
    御代参街道(3)

     


平成26年4月18日。 
近江の街道シリーズ 御代参街道第3回は旧八日市市の中心地区で、かって多賀大社参詣人や近江商人が往来した街道筋であり、道標や石灯籠、辻の地蔵堂など昔の街道の面影を数多く残す風情のある町歩きである。

 朝は雨模様で心配であったが近江鉄道八日市駅出発の時は止み一安心。東近江市観光ボランティアガイド協会会長長谷様の案内で出発した。

 まず最初の訪問は商徳塾(ヴォーリズ設計の洋館で以前は歯科医院)。歯科医院の待合室の面影を残す室内や階段がヴォーリズ建築の特色を良く残している。

次に八日市の語源にもなっている聖徳太子伝説の「八日市場市神之本記」が残る事代主命を祀る市神神社に参拝。

    
                             市神神社

少し脇道に入る。八風街道に沿って狛の長者が開削したと伝えられる筏川が、ちょうど遅咲きの枝垂れ桜の下を花びらを浮かべて流れていた。

川の大部分は近年の道路拡幅のため暗渠となっているがこの辺りはわずかに名残をとどめ、享保年間の川奉行による「芥投棄禁止」の高札が復元されている。

八風街道の角に立つ屋根付きの立派な道標「左いせ、ひ乃、みな口 道」に従って少し進むと薬師寺である。

渡邊守順住職が本堂を開きお待ち頂いていた。本尊は自然石の薬師如来(秘仏)、お前立ちは木像薬師如来坐像(市指定文化財)。

住職から近江商人発祥の保内商人にかかる今掘日吉神社の今掘文書(滋賀大学経済学部資料館保管)についての解説と、住職の収集された貴重な文書などを見学。

重要文化財珠玖家住宅はかって醤油醸造で財をなした商家の機能性と民家の居住性を兼ね備えた建築物で回転式戸袋、摺り上げ雨戸、吊り上げ梯子など、あらゆる所に先人の知恵が活かされた江戸時代の建造物である。

煉瓦煙突が残る地場レストランで昼食。
今崎日吉神社で道標燈籠を見て参拝。かってこのすぐ近くに八日市飛行場が在ったと聞いた。

すぐ隣の神宮寺であった引接寺(いんじょうじ)にお邪魔する。本堂に上らせていただき貴重な寺宝の数々を拝観。

   
                        引接寺
延暦元年創立を伝える天台宗寺院であるが本尊が珍しく腰掛け阿弥陀如来像で、地蔵菩薩立像は平安後期の市指定文化財である。

また、本日の訪問にあわせて住職の計らいで、石田佐吉(三成)の書名が残る太閤検地帳、現在でも今崎日吉神社で転読されている大般若経六百巻の一部が展示されていた。

このように貴重な寺宝を実際手に触れ感触を味わえたので、一同“オー”と歓声を上げた。

今掘日吉神社中世商人宮座が行なわれていた集会場で地域の世話方さんと懇談。特別のご厚意で神社の本地仏を祀る観音堂を御開帳頂いた。

尊木像千手観音立像の慈悲あるお姿を拝観させて頂き、地域の方々に守られた厚い信仰を感じた。

今回の街道探訪は近江鉄道八日市駅からびわこ学園大前駅の電車区間二駅で比較的距離も短かったが、道標・燈籠・地蔵堂・神社・寺院、名産菓子屋もある和やかな一日を過ごせた。
                                                    


      

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