近江歴史回廊倶楽部

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 左義長まつりの舞台裏を見学して
 


平成19年度第四回例会として3月11日開催の「近江八幡の左義長と秀次・日牟礼宮の史跡探訪」に参加し、近江八幡の歴史に陶酔することが出来た。

なかでも天下の奇祭「左義長まつり」の舞台裏を至近距離で見学し、いろいろ苦労話を承ることができ、祭礼本番で完成品を遠目で拝見するのとはまた違う側面を見聞した。

説明によると、正月15日の初寄りで左義長まつりへの参加が決まり翌日から製作概要が練られ町の辻に「笹立て」が行なわれ、土日、休日はもちろん役割分担にもとづき夜毎集会所に籠もり製作作業が進められるとのことである。

私たちは、まず「台」を見学した。私の住む安土は左義長まつりの元祖と伝えられるだけに集落では正月14日に稲藁で三角錐の松明を辛うじて結い続けているが、伝統の維持がだんだん困難になってきている。

これに反し、新町の台は綺麗に選りすぐった藁で、12段に重ねられ、男結びで三角錐の頂点つまり「喉」も凛凛しく絞り込まれ、三つ網の縄目も鮮やかに「耳」が付けられ、杉の葉で笠状の「頭」が見事に作られていた。また、「十二月」といわれる赤紙の短冊には縁起のよい吉祥句が記され、これに巾着やくす玉が用意されていた。

つぎに集会所奥に案内され「山車(ダシ)」の製作現場を見学した。山車は台の正面に掲げられる飾り物のメインで、直径2bくらいの円い背景と今年の干支にちなみ体長80aくらいの赤い目をした毛を春雨で作った白鼠が出来上がっていた。

背景を近くで見学すると小豆とトウモロコシが一粒々々ボンドで張りつけてあり、この飾り物の材料は総て食料品から工夫され、おそらく毎晩総出で作業に当たられた苦心の作品である。

そして苦労した左義長が15、16の巡行を経て八幡宮前で午後8時ころから順次差義長奉火でクライマックスを迎え、炎となって燃え盛ると製作に携わってきた皆さんがこれまでの苦労を思い出し、涙を流しながら「焼くなよ、まっせまっせ」と乱舞される気持ちが納得できるのである。

いま人間関係が希薄になり世知辛い時代になったが、物心両面にわたり町内老若男女が力を合わせて盛り上げる左義長は、深い縁で結ばれた絆の結晶であり、役員の皆さんとりわけ最高リーダーの人望と気配りの賜であることを痛感し、その御労苦に深く敬意を表す次第である。

従来、祭礼当日まで非公開と聞いていた準備の状況を今回特別に見学を快諾し、懇ろに説明いただいた新町通りの役員さんに厚く感謝の誠を捧げます。

 (糠)






      

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