近江歴史回廊倶楽部

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 忍者屋敷と甲賀の里を訪ねて


 五月十五日曇天ではありましたが五月の爽やかな朝、バスは草津を出て一路甲賀へと走る。

 車中事業部会の竹内さんが甲賀(天保)一揆の話をされ、庄屋土川平兵衛の辞世をもって結ばれ感懐はひとしおであった。

 三雲トンネルを抜け若葉が匂う山路を縫い鹿深の里に入る。里は、南鈴鹿山脈を源流とする杣川の名が示すように、高原的な雰囲気がある。当地の忍者屋敷で、先着の会員九名と合流し参加数は四五名となる。

 望月家の屋敷は、茅葺屋根の農家と変わらぬ外観を呈しているが、管理者の福井さんの案内で屋内を見聞したところ、各部屋には想像もつかない仕掛けがあり、侵入した敵から逃れる防御に徹した構造であった。又独特な使用目的をもった武具や器具は、彼等が特殊な技術をもっていた集団であったことを伝えている。

 小佐治の「甲賀もちふる里館」では、当地のご婦人方が特産の食材を生かした弁当に心もお腹も膨らむ思いであった。

 午後は、甲賀の総社である油日神社にてユーモア溢れる神主さんの解説を聴き、油日岳をご神体とする神社の歴史と社殿の建築様式などを学んだ。
室町末期の社殿が信長の戦火から免れて現存するのは、甲賀武士の和田惟政の働きがあったことも知る。続いて境内にある資料館へ足を運び、社殿の棟札や甲賀武士の武具、文書などを見学した。 
特に豊穣を祈る祭礼用の神具で、木製の童子人形「ずゞい子」は、瀬古神主の興味津津な説話もあって、目を奪われる文化財であった。

 この頃から青葉を洗う雨となり最後の訪問先となる楽野寺(らくやじ)に向かう。当寺には、坂上田村麿も詣でた日本最大の座仏像で重文の十一面観音が安置されている。
秘仏であるためご開帳日が定められていますが、倶楽部の見学会ということで、特別に拝観する幸せを得る。

甲賀の里を訪れて忍者が戦闘的集団でなく、平和を愛し、自然と深く関わりながら土地の人々の生活を豊かにしようとした信仰に篤く、技術にも秀れた人々であったことを学んだ一日でした。

(首村 記)


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